A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

映画

HOPE

岩井俊二『8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版』。 コロナ化で撮影ができなかったことを逆手にとってZOOMなどの映像をもとに作成した映画。映画としてとても面白いかといわれると、わからないが、一つの形としてはありかなと思う。ダンスシーンなどが挿入さ…

Reborn or Ribbon

www.youtube.com のん『Ribbon』。技術的に不慣れな感じは受けたのだけれど、ストレートな話の展開で言いたいことはすごくよく分かった。劇中に出てくるribbonは、名前を奪われて表現ができなかった元能年玲奈であるのんさんが、再度生まれ変わるという意味…

サマーフィルムにのって

www.youtube.com UNEXTにて、『サマーフィルムにのって』。映画を撮る女子高生監督の青春映画なのだけれど、ポップな小道具が映画内に散りばめられていて見ていて楽しくなる。青春や恋愛、タイムトラベルといった王道の展開で話が進んでいくのだが、何だか妙…

洪水の夜に

かなり久しぶりになってしまった。最近みた映画や日常的なもろもろを記録がてら日記として更新。 UNEXTで『ドライブ・マイ・カー』。村上春樹原作というのを忘れてしまうほど、濱口竜介監督作品というのがわかる手触り。ドライブするシーンの車窓に流れる都…

キムギドクが死んだ

愛媛県今治の離島にいる。離島といっても、車で来ることが出来るのだが、知り合いが大阪に戻る予定があり、空いている期間を使ってみないか、と言われたので、少し前に来て滞在している。幸い仕事はリモートで可能なので、気分転換の意味もあるのだが、愛媛…

花に嵐

箱根にこもっている。 映画監督の岩切一空さんがtwitterで映画『花に嵐』を無料公開してくれていたので見てみた。 https://twitter.com/i_isola_ 以前から見たかったが、タイミングがあわなくて見れなかった映画。 いわゆるインディーズ映画なのだけれど、恋…

ラストレター

所沢の知人宅でだらだらと週末は過ごしていたのだが、ふと思い立って、岩井俊二監督の新作『ラストレター』を見ることに。ユナイテッド・シネマ入間までの道中は雨が降っていた。何年か前に入間から歩いて行けるというアメリカの住宅を模した建物が並ぶ地区…

娚の一生 / アトミック・ボックス

週末になると、ここのところ雨。 廣木隆一『娚の一生』をぼーっと見ていたら意外に面白い。好きになる過程が急すぎるのは否めなかったが、田舎の町や雨の描写、風に揺れる染色された布が美しい。榮倉奈々と豊川悦司の両キャストも、いい。 小田原のブックオ…

予告犯

体調がいまいちなので、自宅で中村義洋『予告犯』。派遣社員の窮状にみられる格差社会についての描写など、ちょっと浅はかな感じもしたのだけれど、中盤にある犯人役の生田斗真演じる奥田と戸田恵梨香演じるキャリア刑事、吉野の長い追いかけあいが、映画の…

三度目の殺人

雨模様だったが、なんとなく映画でも見たい気になり、箱根から小田原へ。TOHOシネマズ小田原で是枝裕和『三度目の殺人』。 内容的に重い話だったので、おもしろいという感想も違うと思うが、考えさせられる内容。 気になった点。 是枝さんの話は、家庭的にな…

水の中の八月

友人を箱根湯本の駅で待っていた際に、暇つぶしで読んでいた宮崎あおいさんの地球再生エネルギーに関する本に宮崎あおいさんのサインが入っていた。ブックオフで買ったものだったのだが、本物なのだろうか。 八月になるといつも思い出す水の中の八月という映…

ロブスター / ヨルゴス・ランティモス

am 2:38 映画『ロブスター』を見終わった。独身者はある時期を過ぎると動物にかえられてしまう世界の話。ものすごい不条理な話だったが、映像は美しい。 am 2:40 遠くで雷の音が聞こえる。明日は雨の予報。コーヒーを入れなおそうか。

みなさん、さようなら / 中村義洋

『アヒルと鴨のコインロッカー』の中村義洋監督。ひきこもりを、まんま描いたあまたのフィクションにつまんねーなーと思っちゃってたタチなのですが、家の中ではなく、団地の中にひきこもるという新たな手法に拍手。段々と高齢化が進み、団地から徐々に人が…

風立ちぬ / 宮崎駿

宮崎さんは全く物語を描かなくなったなあ、と今作でも思った。場面ごとの作り込みは素晴らしく、例えば、関東大震災のシーンがあるが、ジブリの作画力で綿密に表現されていたのが、とても良かった。 主人公の堀越二郎は飛行機を作る仕事をしている。部屋にこ…

言の葉の庭 / 新海誠

主人公の中学三年生、天沢聖司は、ヴァイオリニストになる夢を抱いている。一方、月島雫は……あ、これ違う映画だった。 さてさて、たいていの映画作家、アニメーション作家であるなら、主人公の高校生タカオが惹かれるユキノの人間性や魅力を書き込む為に、幾…

ヒッチコック / サーシャ・ガヴァシ

説明不要の映画監督、アルフレッド・ヒッチコックの『サイコ』撮影時の裏話的映画。映画会社に反対されたり奥さんと色々諍いがあったりと映画作りも順風満帆ではないのだなあと色々興味深かったです。映画撮影の前に全員が手をあげて箝口令に従う旨を宣言す…

ザ・マスター / ポール・トーマス・アンダーソン

待ちに待ったポール・トーマス・アンダーソンの新作映画。主人公は戦争から返った兵士なのだけれど人と上手くやれずどこにいってもトラブルを起こしてしまう。実際に戦争から帰り過剰な環境に長くいたせいで何かが欠落してしまった人というのは当時のアメリ…

舟を編む / 石井裕也

石井裕也監督。中原昌也さんが珍しく日本映画を褒めていたので仕事終わりにするりと鑑賞。いやーこれ、良い! 古い日本家屋に学生時代から住んでいる馬締光也(松田龍平)の元に大家の孫娘である宮崎あおい演じる林香具矢が越してくるくだりとか、これどこの…

ベスト・キッド/ハラルド・ズワルト

『ベスト・キッド』のリメイクというよりは、初期『ドラゴンボール』の鶴仙流vs亀仙流の話をリメイクした感じ。筋もわかっていてお馴染み過ぎる話だし、万里の長城でわざわざ特訓したり、最後の技って練習で習ってなくないか? とか、突っ込みどころ満載なの…

 パーマネント野ばら/吉田大八

西原さんの描く世界は相変わらず好きだなあ。苦い現実があるけど女達は皆雄々しく生きていて、一見すると表面上は、たくましいのだけれど、母と娘がいなくなったある日に雄々しさがペロリと捲れて菅野美穂さんが寂寥感に苛まれるシーケンスにゾッとする。電…

ソラニン/三木孝浩

そんなに原作にピンと来てたって訳じゃなかったけど映像にされて見たら若さが痛々しかったー……音楽やってるフリーターが住んでる多摩川沿いの街並みがリアル過ぎ。昔、あの辺で一人暮らししてたし似たような生活してたから映画から個人の問題に飛び火して痛…

渇き/パク・チャヌク

吸血鬼になった神父が、いびられて日常に不満のある人妻とニャンニャンするっていう童貞の妄想みたいな映画。結構好きだった。後半になって話のトーンが変わりボニーアンドクライドなノリに。なかなか良。

借りぐらしのアリエッティ/米林宏昌

わっしょいわっしょい夏だ夏だ! という事でタダ券があったので、みんな大好きジブリの新作、『借りぐらしのアリエッティ』を観てきました。脚本と企画は宮崎駿だというものの監督は米林宏昌さんで、どうなのかなーと少し不安だったけれど、とても良かったで…

パリ20区、僕たちのクラス/ローラン・カンテ

岩波ホールにて。秀作。 ふらりと立ち寄ってみたら案外よくてビックリ。ドキュメンタリータッチのフィクションで妙な緊張感があった。ただタイトルがなー? 原題の『Entre les Murs』で『壁の間で』で良かったんじゃないのかなと。

アウトレイジ/北野武

とてもわかり易いヤクザ映画。仁義なんてものは世界のどこにもなくて新鮮と言えば新鮮なのだけれど、これでいいのかな? 何本も撮っているだけあって絵はとてもこなれてきている。うーん、でも……。

 愛のむきだし/園子温

四時間に及ぶ長尺にすら短さを感じるくらい圧倒される。主演の西島隆弘さんも良かったのだけれど、満島ひかりさんが、こんなに凄いとは思っていなかったなあ。アクションシーンの切れの良さにビビる。さそり。パンチラ。 非常に悲しい展開だっただけにラスト…

 アバター/ジェームズ・キャメロン

非常に画面が綺麗。ああーこれは映画館でみるべきだった。 物凄く単純な事だけど、キャメロンは物語のルール作りがとても上手い。 物語の後半で、ヒロインのネイティリが森でAMPスーツ(変なロボットみたいなやつ)に乗った兵士達に追い詰められてピンチにな…

 ポニョはこうして生まれた。〜宮崎駿の思考過程〜

ポニョがどうにも良かったので、メイキング(5巻セットで12時間の長さ)も借りてみたのだけれど、ジブリの世界観は宮崎駿の人間に対する深い洞察と豊富な知識量に裏打ちされているというのが良くわかる。 ジブリの若いスタッフは、宮崎駿のある種の天才性や…

 崖の上のポニョ/宮崎駿

今更ながら見た。話のつじつまがあってないとか、ファンタジー過ぎるとか、気持ち悪いとか突っ込む人の気持ちもわかるし、指摘が的外れではないと思うけど、これ、そんな全てをうっちゃっていい映画だと思うのです。宮崎駿さんは凄い場所で戦ってる。 ハリウ…

 レスラー/ダーレン・アロノフスキー

傑作。 80年代、圧倒的に人気のあった絶頂期をとうに過ぎたレスラーの生きざまをミッキー・ロークが熱演。過去に色々あった、ミッキー・ロークだからこそだよなあ。不器用な男の人生に涙。