A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

 女の子ものがたり/森岡利行


 傑作。


 『スタンドバイミー』と『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』を足して2で割り、女の子バージョンにした感じかな? 少し大げさに描いてあったとは思うけれど、地方から都会へ進学させる経済的余裕がない家庭に育った女の子は、厳しいんだなあ。どうしようもない男に頼るしかなくて、どこか人生を諦めている様子がとてもリアルに描いてあった。ここまで強いられるように生きる子ばかりではないとは思うけれど、現実に(都会に行きたいのに)何となく地方にいる事を選ぶ子もいるのではないだろうか。


 主人公だけは、絵があったから、都会へいく足がかりになるのだけれど、こんな田舎で私たちと一緒にいたらだめだって、友達が突き放してくれる。故郷に対する甘ったれたノスタルジーもここにはないし、ベタベタな友情ではないのに、確かに友達なんだ、と伝わってくるシーンで、ここが、この映画の全てだったなあ。


 深津絵里はどちらかといえば、脇役であって、それぞれの時代の回想シーン3人が素晴らしい。横一列に並んだ海の前でのバックショットにジーンときたぜ!