A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち/内田樹


気になったところだけ引用。


子どもが家族という最小の社会関係の中で、最初に有用なメンバーとして認知されるのは、家事労働を担うことによってだったわけです。

学校教育の場で子どもたちに示されるもののかなりの部分は、子どもたちにはその意味や有用性がまだよくわからないものです。

「自分探しの旅」のほんとうの目的は「出会う」ことにはなく、むしろ私についてのこれまでの外部評価をリセットすることにあるのではないかと思います。

リスクヘッジを心がける人は、自分が起案した「プランA」が必ずやうまくゆくと声高に宣言することよりもむしろ「プランA」がうまくゆかないのはどういう場合かをできるだけリストアップしておき、その場合に使える代替プランを揃えておくことを優先的に配慮します。

中国人はよく子どもを日本やアメリカやオーストラリアなどにばらばらに留学させて、そこでビジネスをさせます。どこかの国にいる親族が戦乱や恐慌で財産を失っても、あるいは人種的迫害があって追放されても、他の国にいる親族がこれを支援したり迎え入れたりできるようにセーフティネットを張っておく。これは歴史的経験の中で洗練されたリスクヘッジの技法です。

「師であることの条件」は「師を持っている」ことです。