A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

Reborn or Ribbon

www.youtube.com

 

のん『Ribbon』。技術的に不慣れな感じは受けたのだけれど、ストレートな話の展開で言いたいことはすごくよく分かった。劇中に出てくるribbonは、名前を奪われて表現ができなかった元能年玲奈であるのんさんが、再度生まれ変わるという意味のRebornとかけてるのかなーと何となく想像しながら見ていた。

コロナによって役者や映画界が受けたダメージ、日本中が陰鬱と何かに覆われて息苦しくなっている状況。すべてが一本につながっていて、スカッとできる作品になっている。

ここ最近、表面化してきた映画界でのパワハラ、セクハラ問題に一石どころか百石も投じてほしい。女性監督、のんの新たなる船出に乾杯! 次回作も見ます。

 

岩井俊二『番犬は庭を守る』。廃炉になった原子力発電所を舞台にした小説と聞いて、おおっと思ったのだけれど、なんと福島原発の件よりも以前から、温めていた小説。番犬が守っている発電所にあったものは? 真実は隠されていて、混沌している。岩井監督の作品群の中では、「PiCNiC」や、『スワロウテイル』の風味が強くて、壮大で強力なイメージが広がる物語となっている。出てくる地名の、アルミアコット、アルモシャコル、オユコットをそれぞれアルファベットにして逆から読むと?


ARUMIAKOT

ARUMOSHAKOR

OYKOT

 

もともとは映画化の原作として、20年程度前に書かれたものと記憶しているが、現在の日本の状況とオーバーラップしていてある意味、予言の書だなと思える。ラストの1行に幾ばくかの希望を感じることができて読後感は悪くない。