A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

Life

早いもので2023年。今年も家族のどたばたなのでいろいろ大変な年明けです。まあなんとかやっていきましょう。

 

テレビを見ていたらものまね番組で志村けんの真似をしている芸人さんがいたが似すぎていてヤバイ。

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完全に憑依しているというかすごいものを見たという印象で不思議な感覚になってしまった。

HOPE

岩井俊二『8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版』。

コロナ化で撮影ができなかったことを逆手にとってZOOMなどの映像をもとに作成した映画。映画としてとても面白いかといわれると、わからないが、一つの形としてはありかなと思う。ダンスシーンなどが挿入されていて、映画としてひとまずまとまっているのはさすがかなと思った。

Reborn or Ribbon

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のん『Ribbon』。技術的に不慣れな感じは受けたのだけれど、ストレートな話の展開で言いたいことはすごくよく分かった。劇中に出てくるribbonは、名前を奪われて表現ができなかった元能年玲奈であるのんさんが、再度生まれ変わるという意味のRebornとかけてるのかなーと何となく想像しながら見ていた。

コロナによって役者や映画界が受けたダメージ、日本中が陰鬱と何かに覆われて息苦しくなっている状況。すべてが一本につながっていて、スカッとできる作品になっている。

ここ最近、表面化してきた映画界でのパワハラ、セクハラ問題に一石どころか百石も投じてほしい。女性監督、のんの新たなる船出に乾杯! 次回作も見ます。

 

岩井俊二『番犬は庭を守る』。廃炉になった原子力発電所を舞台にした小説と聞いて、おおっと思ったのだけれど、なんと福島原発の件よりも以前から、温めていた小説。番犬が守っている発電所にあったものは? 真実は隠されていて、混沌している。岩井監督の作品群の中では、「PiCNiC」や、『スワロウテイル』の風味が強くて、壮大で強力なイメージが広がる物語となっている。出てくる地名の、アルミアコット、アルモシャコル、オユコットをそれぞれアルファベットにして逆から読むと?


ARUMIAKOT

ARUMOSHAKOR

OYKOT

 

もともとは映画化の原作として、20年程度前に書かれたものと記憶しているが、現在の日本の状況とオーバーラップしていてある意味、予言の書だなと思える。ラストの1行に幾ばくかの希望を感じることができて読後感は悪くない。

サマーフィルムにのって

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UNEXTにて、『サマーフィルムにのって』。映画を撮る女子高生監督の青春映画なのだけれど、ポップな小道具が映画内に散りばめられていて見ていて楽しくなる。青春や恋愛、タイムトラベルといった王道の展開で話が進んでいくのだが、何だか妙に流れにのっていかないので序盤、不思議に思いながら見ていた。

 

そういえば、以前、動画メディアについて詳しい明石ガクトさんの『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』を読んだ。今の若者にとって、映像というのは情報密度の濃さが大事であると、この本には書いてあるのだけれど、確かにYouTubeに代表されるようなメディアはなるべく動画を短くして、言いよどみを削り、テンポを重視し、無駄を省いて動画の情報量をあげているわけで、映画などとは対極のメディアであるような気がする。

 

『サマーフィルムにのって』の映画の主人公のハダシは、未来人に「未来には映画館もないし動画などは本当に短くなっている。なんなら1分あれば長編映画なんだ」と伝えられる。ハダシはその話を聞いて複雑そうな表情を顔に浮かべる。

 

ラストシーンまで話が進み、いったいこの映画は何の映画なのだろうと思っていたのだけれど、未来から来た凛太郎に対して、決闘を挑み、愛の告白をするというシーンは、単純に愛の告白ではなくて、映画に対するメッセージに対してのものなんだろう。だとすると、恋愛、タイムトラベル、青春という単独で大きな物語を作れる題材をすべてすっとばした最後の展開が納得できるかなというふうに思った。変に湿っぽくなったり感情的にならず、軽めのラップをのせた主題歌にも好印象。

 

ハダシ役の伊藤万理華さん。演技してるのを初めてみたが、かなり魅力的。かっこ可愛いというか表情が豊かで飽きないし。作品全体をかなり押し上げていたと思う。

洪水の夜に

かなり久しぶりになってしまった。最近みた映画や日常的なもろもろを記録がてら日記として更新。

 

UNEXTで『ドライブ・マイ・カー』。村上春樹原作というのを忘れてしまうほど、濱口竜介監督作品というのがわかる手触り。ドライブするシーンの車窓に流れる都市の景色が美しい。ばたばたしながら見ていたので今度、もう一度ちゃんとみたいかもね。

 

UNEXTで『悪人伝』。連続殺人鬼の標的がヤクザの組長であり、組長と刑事が手を組んで犯人をおっていくというすごい映画。韓国映画らしい痛みを伴う演出が心地よい。犯人がもっと圧倒的な存在でなきゃいけないとは思ったのだが、まあ、そこはご愛敬。

 

UNEXTで『すばらしき世界』。正直のれなかった。社会的にはじかれた立場の人たちに対する視線にどこか驕りを感じてしまったのは自分だけだろうか。アイロニカルにすばらしきなんてタイトルをつけている意図は? 考えると、まあ白ける。巧妙に隠されていますが。

 

ある小説の賞の1次審査をちょっと手伝う。人の書いた小説にあれこれ難癖つけるっていうのは楽しいものだ。たいていが取るにたらない話であり、基本的なことができてない気がしたのだが、たまにものすごく面白いのがあり、読んでいて楽しい。賞に出すなら言葉にならない感情をしっかりと言葉にするか、語る切り口を変えるか、テーマの選択と集中が必要かなと思う。審査する側はものすごく読むので。やってみた感想。

 

ある映画監督の自伝の仕事をした。今年出版される。いろいろ忙しいが、今年もぼちぼちやっていく。