前回、長谷川監督の映画をみたのが、2015年の『DUAL CITY』だったので、11年前になる。非常に久しぶり。やはりインディーズの体制でこれだけの映像を作る労力がすさまじいなと思ってしまう。
夜明けのすべて / 三宅唱
ウェットになりそうな話を、照明や演出、音楽の意図的な計算によって、軽やかに描いている。虚構の中では、登場人物たちの距離感というものは近くなりがちであるが、適度な距離感を保っているのも吉。

NOBODYの三宅唱監督のインタビューも参考にされたし。
いつまでも出会いの途中
Reborn or Ribbon
のん『Ribbon』。技術的に不慣れな感じは受けたのだけれど、ストレートな話の展開で言いたいことはすごくよく分かった。劇中に出てくるribbonは、名前を奪われて表現ができなかった元能年玲奈であるのんさんが、再度生まれ変わるという意味のRebornとかけてるのかなーと何となく想像しながら見ていた。
コロナによって役者や映画界が受けたダメージ、日本中が陰鬱と何かに覆われて息苦しくなっている状況。すべてが一本につながっていて、スカッとできる作品になっている。
ここ最近、表面化してきた映画界でのパワハラ、セクハラ問題に一石どころか百石も投じてほしい。女性監督、のんの新たなる船出に乾杯! 次回作も見ます。
岩井俊二『番犬は庭を守る』。廃炉になった原子力発電所を舞台にした小説と聞いて、おおっと思ったのだけれど、なんと福島原発の件よりも以前から、温めていた小説。番犬が守っている発電所にあったものは? 真実は隠されていて、混沌している。岩井監督の作品群の中では、「PiCNiC」や、『スワロウテイル』の風味が強くて、壮大で強力なイメージが広がる物語となっている。出てくる地名の、アルミアコット、アルモシャコル、オユコットをそれぞれアルファベットにして逆から読むと?
ARUMIAKOT
ARUMOSHAKOR
OYKOT
もともとは映画化の原作として、20年程度前に書かれたものと記憶しているが、現在の日本の状況とオーバーラップしていてある意味、予言の書だなと思える。ラストの1行に幾ばくかの希望を感じることができて読後感は悪くない。