A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

2010-01-01から1年間の記事一覧

ベスト・キッド/ハラルド・ズワルト

『ベスト・キッド』のリメイクというよりは、初期『ドラゴンボール』の鶴仙流vs亀仙流の話をリメイクした感じ。筋もわかっていてお馴染み過ぎる話だし、万里の長城でわざわざ特訓したり、最後の技って練習で習ってなくないか? とか、突っ込みどころ満載なの…

 パーマネント野ばら/吉田大八

西原さんの描く世界は相変わらず好きだなあ。苦い現実があるけど女達は皆雄々しく生きていて、一見すると表面上は、たくましいのだけれど、母と娘がいなくなったある日に雄々しさがペロリと捲れて菅野美穂さんが寂寥感に苛まれるシーケンスにゾッとする。電…

ソラニン/三木孝浩

そんなに原作にピンと来てたって訳じゃなかったけど映像にされて見たら若さが痛々しかったー……音楽やってるフリーターが住んでる多摩川沿いの街並みがリアル過ぎ。昔、あの辺で一人暮らししてたし似たような生活してたから映画から個人の問題に飛び火して痛…

渇き/パク・チャヌク

吸血鬼になった神父が、いびられて日常に不満のある人妻とニャンニャンするっていう童貞の妄想みたいな映画。結構好きだった。後半になって話のトーンが変わりボニーアンドクライドなノリに。なかなか良。

借りぐらしのアリエッティ/米林宏昌

わっしょいわっしょい夏だ夏だ! という事でタダ券があったので、みんな大好きジブリの新作、『借りぐらしのアリエッティ』を観てきました。脚本と企画は宮崎駿だというものの監督は米林宏昌さんで、どうなのかなーと少し不安だったけれど、とても良かったで…

パリ20区、僕たちのクラス/ローラン・カンテ

岩波ホールにて。秀作。 ふらりと立ち寄ってみたら案外よくてビックリ。ドキュメンタリータッチのフィクションで妙な緊張感があった。ただタイトルがなー? 原題の『Entre les Murs』で『壁の間で』で良かったんじゃないのかなと。

ポトスライムの舟/津村記久子

恋愛の話ですらもなくプロレタリアっぷりに心がやられる。けど切り口がとても斬新であるし面白かった。

アウトレイジ/北野武

とてもわかり易いヤクザ映画。仁義なんてものは世界のどこにもなくて新鮮と言えば新鮮なのだけれど、これでいいのかな? 何本も撮っているだけあって絵はとてもこなれてきている。うーん、でも……。

 旅茶箱にて石田ゆうすけさん 第二回ヨーロッパ編

3月にあったトーク&スライドショーの第二回ヨーロッパ編。いつも何だか当日になるとダラダラしてしまい、ギリギリにいくのでまったく同じ席に座る羽目になってしまった。 印象に残った話を箇条書きで。 ・ポーランドで両足のないおじいさんが追いかけてきた…

 愛のむきだし/園子温

四時間に及ぶ長尺にすら短さを感じるくらい圧倒される。主演の西島隆弘さんも良かったのだけれど、満島ひかりさんが、こんなに凄いとは思っていなかったなあ。アクションシーンの切れの良さにビビる。さそり。パンチラ。 非常に悲しい展開だっただけにラスト…

 アバター/ジェームズ・キャメロン

非常に画面が綺麗。ああーこれは映画館でみるべきだった。 物凄く単純な事だけど、キャメロンは物語のルール作りがとても上手い。 物語の後半で、ヒロインのネイティリが森でAMPスーツ(変なロボットみたいなやつ)に乗った兵士達に追い詰められてピンチにな…

 ポニョはこうして生まれた。〜宮崎駿の思考過程〜

ポニョがどうにも良かったので、メイキング(5巻セットで12時間の長さ)も借りてみたのだけれど、ジブリの世界観は宮崎駿の人間に対する深い洞察と豊富な知識量に裏打ちされているというのが良くわかる。 ジブリの若いスタッフは、宮崎駿のある種の天才性や…

 崖の上のポニョ/宮崎駿

今更ながら見た。話のつじつまがあってないとか、ファンタジー過ぎるとか、気持ち悪いとか突っ込む人の気持ちもわかるし、指摘が的外れではないと思うけど、これ、そんな全てをうっちゃっていい映画だと思うのです。宮崎駿さんは凄い場所で戦ってる。 ハリウ…

 10年前の手紙

凹んでるわけでもないのだけれど、気持ちが沈静化している。1年に1回くらいの割合でメールボックスに溜まっている古い知り合いとのメール交換を読み返してみたりするのだけれど、読書と一緒で既読後に獲得した個人的な何か、か、その時の気分みたいなもの…

 レスラー/ダーレン・アロノフスキー

傑作。 80年代、圧倒的に人気のあった絶頂期をとうに過ぎたレスラーの生きざまをミッキー・ロークが熱演。過去に色々あった、ミッキー・ロークだからこそだよなあ。不器用な男の人生に涙。

 智に働けば蔵が建つ/内田樹

抜粋。 ルイ・ヴィトンのバッグの50%は日本市場で買われている 日本の消費者はファッション雑誌熟読のおかげでわずかなデザインやコーディネイトの差異のうちにきわだった違いを感知できるたいへんに差異コンシャスネスの高い人々である。 宮崎駿はそれにし…

 黒沢清の映画術/黒沢 清

映画術といっても、黒沢監督の個人史、自伝的内容。 ワンカットで幽霊を映す場合、間にいきなり写りこんでしまわないように遮蔽物をおく必要があるとか、幽霊と一発でわかるように服の色に気をつかうなんて話、『太陽を盗んだ男』に制作進行でかかわっていた…

 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち/内田樹

気になったところだけ引用。 子どもが家族という最小の社会関係の中で、最初に有用なメンバーとして認知されるのは、家事労働を担うことによってだったわけです。 学校教育の場で子どもたちに示されるもののかなりの部分は、子どもたちにはその意味や有用性…

 女の子ものがたり/森岡利行

傑作。 『スタンドバイミー』と『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』を足して2で割り、女の子バージョンにした感じかな? 少し大げさに描いてあったとは思うけれど、地方から都会へ進学させる経済的余裕がない家庭に育った女の子は、厳しいんだなあ。…

早起きしてパンを買いに行くというフランス人チックな生活をしてるのですが、地元のパン屋で超美人発見。ここ半年で見た一般女性では一番だなー。ズキュゥン! ってジョジョだったら音がしてるわ。 最近、狂ったように映画を見続けてるのだけれど、昔に比べ…

 東京物語/小津安二郎

少し前のネプチューンの話だけれど、面白くなるかどうかって結局名倉にかかってたんだよな。ホリケンとタイゾーの暴走を名倉がどこまで許すか、どこで止めて突っ込むか、にかかっていた。 『東京物語』の上映時間136分の内、120分は全く名倉が画面上に存在せ…

 月光の囁き/塩田明彦

神保町の中古ビデオ屋で安く売っていたので購入。公開当時に見たかったけど、これ好きだなあ。Mな自分としては(?)、つぐみが魅力的過ぎて、感情移入。青春って痛々しい。 綿矢の『蹴りたい背中』の元ネタはこの辺でしょうか? 関係ないけど、本当に良い小…

 おくりびと/滝田洋二郎

過不足ない話の進め方で、話が小さくまとまってる気もしたけれど、小道具、石文の使い方が上手く、見終わったら素直に感動していた。山崎努は、本当にまるで何年も納棺師の仕事をしてるような空気をまとっていて本当の役者。 この話の良いところは、若者が変…

 恐怖のメロディ/クリント・イーストウッド

イーストウッドの初監督作品。既にこの映画から、暗い闇の描写や、異常者を取り扱っているのに驚く。特典映像を見ると、イーストウッドが意見を出して変更した点が、ことごとく映画的に効いているのが分かる。 余談ですが、イーストウッド家の掃除婦役の、ク…

 マディソン郡の橋/クリント・イーストウッド

秀作。 この映画が流行った頃にみないで、今みれたのが良かった。 イーストウッドとメリル・ストリープの中年男女の不倫物。俗っぽいラブストーリーになりそうで、ギリギリ回避してるのは、閉鎖的な因習のある田舎に住んで結婚をし、平凡な人生を送っていた…

 オバマ・ショック/越智道雄・町山智浩

イーストウッドの映画からアメリカに興味が出てきたので、読んでみたのだけれど、オバマの事というよりは、アメリカの過去・未来みたいな話だったかな? またしても引用・抜粋で。 越智 “クレジット・クレージー”と言うんですね。九〇年代後半から、クレジッ…

 空気人形/是枝裕和

正直いって、寂しいので話としては、あんまり好きではなかったけれど撮影監督のリー・ピンビンが映す東京/TOKYOの実景が素晴らしくて、「まだまだ東京でも映画が撮れる」と僕らに教えてくれる。台湾人で外国人だから、という理由もあるかもしれないけど、浮…

 アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶

ドキュメンタリーフィルム。映画の助監督をしていた事も知りませんでした。モンローやカポーティ、バーンスタイン、ココ・シャネルなんて、撮影した人たちが有名すぎる。写真は短刀の一刺し、絵画は瞑想。

 逃走迷路/アルフレッド・ヒッチコック

サーカス団や、盲目の老人との触れ合いのシーンが何だか心にじんわりと残った。じらしは相変わらず巧い。

 ひとりでは生きられないのも芸のうち/内田樹

装丁とかすると、ちょっと女性向けなのかも? けど、やっぱり面白い。またもや抜粋。 最初の数年は「あの人よりは自分の方が高給だ」とか「自分の仕事のほうが高い評価を得ている」というような同族間の比較がモチベーションを維持するかもしれない。だが、…