A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

 チェンジリング/クリント・イーストウッド



 1928年のロサンゼルス。シングルマザーのクリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)の息子がある日、突然行方不明になった。数ヵ月後、イリノイ州で保護されて無事に戻ってきた息子は、まるで違う別人だった……。



 傑作。


 ひとつひとつのパートで2時間の映画を作れる素材を惜しげもなく散りばめ、見る者の予想をヒラリとかわして遥か高みへと物語世界を進めてゆくクリント・イーストウッドの手腕に、ただ脱帽。1920年代から30年代にかけての、アメリカの警察、病院の暗部を炙り出しつつ、複雑になりそうな話を、母が子を想うという唯一の信念を通す事でエンターテイメントとしても成立させている。