A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

東京・三鷹

東京に戻ってきて三鷹の仮の家にいる。昔からこの仮の家は何かに煮詰まった時などに逃げ込む避難所としてキープしてあったわけだけれど、最近は外国人の姿が近所に増えた。ジブリが人気が出てきたからというのもあるのだろうけど。

 

東京は1日通して雨が降っている。静岡の伊東に住む友人が新鮮な魚を送ってくれたので、この後は鍋の中に魚をぶちこんで食べようかなと考えている所、お湯を沸かしながら雨の音を聞く。悪くない土曜日。

 

頂上が見えない

愛媛県徳島県との境目の近く、山の中にいます。自転車をこぎはじめて5時間。県境に向かうに連れて段々と道が険しくなってきた。大きなカーブをいくつか曲がってトンネルを抜けた場所にドライブインがあったのですが、空いていませんでした。ボロボロの小屋が隣にあり、自動販売機で缶コーヒーを買って飲んでいる。

山の上という事もあるのだろうけれど、今朝は霧が出てきており、遠くに見える山の頂きの様子をうかがうことは出来ないみたい。バイパスが整備されており、こちらはメインの道ではないようで、たまに国道が通る以外はとても静か。もう少し時間をかけて頂上にアタックをしてみて、徳島へ抜けようと思っている。

 

あるファッションデザイナーが、テレビで語っていた言葉、洋服というのは非日常でいられる唯一の物。自分にとって、洋服とは何か? あまり考えこまないで感覚で生きていこうと思っています。

 

本当って何?

今日は仕事で愛媛県松山市にいる。早めに仕事が終わったので松山駅前にあった健康ランドで風呂に入った後、畳の上でごてっと横になってテレビを見ていた。地方に来ると面白いのがニュースの天気予報で東京にいる時とは出る地図が違うのだ。当たり前なのだけれど見ていて楽しい。

 

どこかのアイドルグループの人が熱愛発覚したらしくワイドショーでは、でかでかとしたテロップと共にファンを裏切った! とコメンテーターがあおりたてていた。仕事柄、自分はマジシャンとつきあいが多いのだけれど、アイドルの仕事というのはマジックみたいなものだなあと思う。神様のような存在に思ってる人もいるが、タネは確実にあるわけで、神様ではなくて人間なのである。タネを絶対に相手にばれないようにしてお客さんを楽しませる。これはマジシャンにもアイドルにも共通している部分だと思う。大変だ。

 

本当の姿はとんでもない女だった! とテレビにでかでかと出ているテロップを見ながら、本当って何だろうと考えていた。 

 

 

雨降りの朝は

昨夜は取引先の人と朝5時まで飲んでいたので頭が痛い。箱根にあるホテルにいる。しとしとと降る雨音を聞きながら昼食を食べている。今日は代休。

 

ホテルのビュッフェラウンジには金持ちそうな老人の姿が何人かいる。湯治にでも来ているのだろうか。まあ、こんな平日に普通の人がいるわけないかもしれないが。ゆっくりと食事をしながら考え事でもしているように思える。

 

雨音を聞いていると、ふと昔のことを思い出してしまう。たいてい過去のことを考えてしまう時はいろいろな物事がうまくいっていない時が多いが、今は単純に大きな仕事が終わり、心がほっとしているからだと思う。

 

どうやったら自分自身が満足して生活することが出来るか。最近はそればかり考えている気がする。仕事にも満足をしているし、この不況のご時世にこんなホテルに泊めてもらえるというのは恵まれているだろう。それでも、心のどこかに小さな穴が開き、空気が漏れているのが自分自身でもわかっている。20代の時ならセンチメンタルになり、弱音の1つでも吐くことが出来ただろうが、良い大人になりそんな事をするわけにもいかない。やるせない気持ちはあるが、ただ、今はじっと突風に吹き飛ばされないように体を前傾姿勢にして、ぐっと踏ん張るのみだ。

 

壁一面が窓になっている大きなラウンジから、遠くに山をみることが出来る。頂上は雲で覆われてしまっており、様子を窺いしる事はできない。時計を見ると、12時25分を指している。 

越後湯沢にて

越後湯沢に仕事で来ているのだが、昨夜は不思議な事があった。

 

越後湯沢であてがわれた宿は昔はスキー客目当てのホテルだったらしいが、今は簡易な宿泊施設として使われている建物だった。今の時期はあまり利用されていないようで、宿泊客は自分だけのようである。

仕事を終えてホテルに戻ったのが、23時頃で食事をして風呂に入りテレビを見ながらゆっくりしていた。その時、ふと窓の外に目をやると窓のはるか遠くの方に光のようなものが見えるのに気がついた。

 

テレビを消して窓から真っ暗になった外の様子をうかがってみる。自分の部屋は3階で真下に川が流れていた。午前1時45分を時計の針はさしている。川の向こうには民家が何軒かあり、後ろには山の斜面が広がっている。ふと目を上にやると、山の上の方に1件の小さな民家が建っており光はそこから出ているようだった。

 

ペンライトというのだろうか? ライブなどで良く目にすることがある小さなライトで、ひねると電気がついたり消えたりするライトがあるが、民家から見える光は時々、ついては消え、またついては消えるを繰り返しているようだった。

 

"誰かにサインでも送ってるのかな……"とも思ったが、先に言ったように自分以外にこのホテルに泊まっている宿泊客の姿はないのだ。少し逡巡した後に、眠れないので、あそこの民家までいってみようかなと思いついた。コートを取り、部屋を出る。午前2時17分。