A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

ロブスター / ヨルゴス・ランティモス

am 2:38 映画『ロブスター』を見終わった。独身者はある時期を過ぎると動物にかえられてしまう世界の話。ものすごい不条理な話だったが、映像は美しい。

 

am 2:40 遠くで雷の音が聞こえる。明日は雨の予報。コーヒーを入れなおそうか。

結婚

友人が結婚したとの知らせが届く。これはめでたい。お相手がチェコスロバキア人というので、最初はまた冗談かと思ったら式場などもおさえてるということで、さすがに本当らしい。冗談好きな人だったので、嘘かと思っていたが……。

大阪にある外国語大学を卒業した彼女は、NPO団体の一員として東欧に派遣された。主に日本語教師として赴任していたのだが、任期が終わっても現地の生活が気にいり、長い間、暮らしていたらしい。

 

何年か前の大みそかに2人で、馬車道にあるBankART1929に行ったことを思い出した。その当時、付き合っていた彼氏が(当然、結婚相手とは違う人)、いい加減な人であり、仕事をせず、彼女の金を財布から抜き取っており、別れたい、でもどう言えば、と相談を受けていたのだった。

 

よかったなあと、はがきでチェコスロバキア人の旦那さんと一緒に笑っている彼女をみて思う。

忍耐

ロンドンから帰国した友人を訪ねて静岡県富士市に。ロンドン時代からしばらく疎遠だったが、フェイスブック経由で連絡がきた。すごい。

 

友人は、実家が製紙工場を経営していたお坊ちゃんだったのだが、富士市で、ゲストハウスを経営している。少し中を見せてもらったが、小奇麗な印象でスタッフの皆さんがきびきびと働いていました。静岡も富士山のおかげで外国人旅行客が増えてるとのこと。

 

彼と話をしていると、人間が好きなんだなーと思う。箱根にこもって書き物をしている自分はどうだろう、と考えてみたが、答えは出なかった。夕刻、富士を後にした。

コーネルの箱 / チャールズ・シミック

父の知り合いに紹介してもらった箱根の宿坊にこもって1日中、書き仕事をしていた。休憩中にアイスコーヒーを飲みながら、チャールズ・シミックコーネルの箱を読み終わった。コーネルにインスパイアされた詩集。翻訳は、柴田元幸さん。コーネルの作品の写真が入っていて、印象が強いので肝心の詩が目だたなかったなあという感想。

 

しかし毎日暑いですね。宿坊から湯本まで降りていったのだが汗だくになる。外国人観光客の姿が本当に増えた。

箱の中のユートピア / デボラ・ソロモン

 先日、DIC川村記念美術館で気になったジョゼフ・コーネルについての評伝。コーネルについて時系列に話が進んでいくと同時にニューヨークのアートシーンの記録ともなっていて、とても面白かったです。

コーネルは、過干渉気味の母親に抑圧され、かつハンディを背負った兄弟の父親代わりとして責任を背負いながら生活しており、60才を過ぎるまで女性経験がなかったらしい。でも、抑圧された気持ちを昇華して作品に変えていったアーティストです(道を歩いている女性を眺めながら着ている洋服のメモをとっていたという描写はちょっとやばい人ですらある……)。

読む前は引きこもりで隠者のような生活をしていると思っていたのですが、実は同時代の画商やアーティスト、バレエダンサーや、モデルなどと、交友があり、意外な感じがしました。原作は読んでいませんが、非常に詳細に記録をたどっており、読み応えがめちゃくちゃある。かなり重要な相手として、草間彌生さんも出てきます。