A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

娚の一生 / アトミック・ボックス

週末になると、ここのところ雨。 廣木隆一『娚の一生』をぼーっと見ていたら意外に面白い。好きになる過程が急すぎるのは否めなかったが、田舎の町や雨の描写、風に揺れる染色された布が美しい。榮倉奈々と豊川悦司の両キャストも、いい。 小田原のブックオ…

吉田修一

イギリスから日本への飛行機で暇だったので、吉田修一『太陽は動かない』、『森は知っている』の2作を読み終わった。以前から好きな作者であり、何作か読んだことがあるのだが、だいぶ毛色が変わったなあ。村上龍が書きそうな内容だったが、吉田修一風に味付…

コーネルの箱 / チャールズ・シミック

父の知り合いに紹介してもらった箱根の宿坊にこもって1日中、書き仕事をしていた。休憩中にアイスコーヒーを飲みながら、チャールズ・シミックのコーネルの箱を読み終わった。コーネルにインスパイアされた詩集。翻訳は、柴田元幸さん。コーネルの作品の写真…

箱の中のユートピア / デボラ・ソロモン

先日、DIC川村記念美術館で気になったジョゼフ・コーネルについての評伝。コーネルについて時系列に話が進んでいくと同時にニューヨークのアートシーンの記録ともなっていて、とても面白かったです。 コーネルは、過干渉気味の母親に抑圧され、かつハンディ…

ポトスライムの舟/津村記久子

恋愛の話ですらもなくプロレタリアっぷりに心がやられる。けど切り口がとても斬新であるし面白かった。

 智に働けば蔵が建つ/内田樹

抜粋。 ルイ・ヴィトンのバッグの50%は日本市場で買われている 日本の消費者はファッション雑誌熟読のおかげでわずかなデザインやコーディネイトの差異のうちにきわだった違いを感知できるたいへんに差異コンシャスネスの高い人々である。 宮崎駿はそれにし…

 黒沢清の映画術/黒沢 清

映画術といっても、黒沢監督の個人史、自伝的内容。 ワンカットで幽霊を映す場合、間にいきなり写りこんでしまわないように遮蔽物をおく必要があるとか、幽霊と一発でわかるように服の色に気をつかうなんて話、『太陽を盗んだ男』に制作進行でかかわっていた…

 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち/内田樹

気になったところだけ引用。 子どもが家族という最小の社会関係の中で、最初に有用なメンバーとして認知されるのは、家事労働を担うことによってだったわけです。 学校教育の場で子どもたちに示されるもののかなりの部分は、子どもたちにはその意味や有用性…

 オバマ・ショック/越智道雄・町山智浩

イーストウッドの映画からアメリカに興味が出てきたので、読んでみたのだけれど、オバマの事というよりは、アメリカの過去・未来みたいな話だったかな? またしても引用・抜粋で。 越智 “クレジット・クレージー”と言うんですね。九〇年代後半から、クレジッ…

 ひとりでは生きられないのも芸のうち/内田樹

装丁とかすると、ちょっと女性向けなのかも? けど、やっぱり面白い。またもや抜粋。 最初の数年は「あの人よりは自分の方が高給だ」とか「自分の仕事のほうが高い評価を得ている」というような同族間の比較がモチベーションを維持するかもしれない。だが、…

 疲れすぎて眠れぬ夜のために/内田樹

個人的に最近、気になっている内田先生の本です。気になった所を引用、抜粋。 ぼく自身はぜんぜん「我慢」というのものをしない人間です。ですから思春期になって、親子対立の徴候が出たところで、すぐに家出をしてしまいました。 家出というのは、一人暮ら…

 ひとり日和/青山七恵

若い女の子と老女の共同生活。自立の話。 村上龍がほめてたので、結構期待して読んだけれど、まぁまぁだったかなあ。老女が決して死ぬ事もなく、病気になる事もないのが、今の気分なんでしょうか? 話はプレーンな印象で最初から最後まで進むのだけれど、描…

フジテレビ「NONFIX」の“湯+芸術=? 画家 大竹伸朗という生き方”  既にそこにあるもの/大竹伸朗

直島に銭湯を作った現代美術家。アートぶって権威を積み重ねてるような人かと先入観をもっていました。すいません。 寝る前に雑誌にペンキを塗りつけて寝る。酒を飲んで何もしないで寝るんじゃなくて、毎日ペンキを塗ってから寝るだけなんだよ、というのにと…