A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

 山椒大夫/溝口健二



 今更いうのもなんだけど、やっぱり傑作。


 別に名作だからというわけではなくて、良い所の子息が奴隷へと身分が落ちる意外性、そしてまた這い上がるというカタルシス。話の構成が普通に面白い。これも原作とニュアンスが変更になっているわ。創作する人、話を作る人というのは、ドがつくほどのSなのだな、と強く感じる位のいやらしい悲劇。


 国宝でたいまつを持って撮影する所にも意気込みを感じるし、厨子王の嘆願シーンを見ると、この時代の映画俳優は本気なのだよな。


 
 空手でいう所の前蹴りをくらって、お手伝いが小船から水中にけり落とされる所がちょっと笑える。