A Journey To Surrey Quays

Half the truth and half the lie

 10年前の手紙

凹んでるわけでもないのだけれど、気持ちが沈静化している。1年に1回くらいの割合でメールボックスに溜まっている古い知り合いとのメール交換を読み返してみたりするのだけれど、読書と一緒で既読後に獲得した個人的な何か、か、その時の気分みたいなもの…

 レスラー/ダーレン・アロノフスキー

傑作。 80年代、圧倒的に人気のあった絶頂期をとうに過ぎたレスラーの生きざまをミッキー・ロークが熱演。過去に色々あった、ミッキー・ロークだからこそだよなあ。不器用な男の人生に涙。

 智に働けば蔵が建つ/内田樹

抜粋。 ルイ・ヴィトンのバッグの50%は日本市場で買われている 日本の消費者はファッション雑誌熟読のおかげでわずかなデザインやコーディネイトの差異のうちにきわだった違いを感知できるたいへんに差異コンシャスネスの高い人々である。 宮崎駿はそれにし…

 黒沢清の映画術/黒沢 清

映画術といっても、黒沢監督の個人史、自伝的内容。 ワンカットで幽霊を映す場合、間にいきなり写りこんでしまわないように遮蔽物をおく必要があるとか、幽霊と一発でわかるように服の色に気をつかうなんて話、『太陽を盗んだ男』に制作進行でかかわっていた…

 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち/内田樹

気になったところだけ引用。 子どもが家族という最小の社会関係の中で、最初に有用なメンバーとして認知されるのは、家事労働を担うことによってだったわけです。 学校教育の場で子どもたちに示されるもののかなりの部分は、子どもたちにはその意味や有用性…

 女の子ものがたり/森岡利行

傑作。 『スタンドバイミー』と『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』を足して2で割り、女の子バージョンにした感じかな? 少し大げさに描いてあったとは思うけれど、地方から都会へ進学させる経済的余裕がない家庭に育った女の子は、厳しいんだなあ。…

早起きしてパンを買いに行くというフランス人チックな生活をしてるのですが、地元のパン屋で超美人発見。ここ半年で見た一般女性では一番だなー。ズキュゥン! ってジョジョだったら音がしてるわ。 最近、狂ったように映画を見続けてるのだけれど、昔に比べ…

 東京物語/小津安二郎

少し前のネプチューンの話だけれど、面白くなるかどうかって結局名倉にかかってたんだよな。ホリケンとタイゾーの暴走を名倉がどこまで許すか、どこで止めて突っ込むか、にかかっていた。 『東京物語』の上映時間136分の内、120分は全く名倉が画面上に存在せ…

 月光の囁き/塩田明彦

神保町の中古ビデオ屋で安く売っていたので購入。公開当時に見たかったけど、これ好きだなあ。Mな自分としては(?)、つぐみが魅力的過ぎて、感情移入。青春って痛々しい。 綿矢の『蹴りたい背中』の元ネタはこの辺でしょうか? 関係ないけど、本当に良い小…

 おくりびと/滝田洋二郎

過不足ない話の進め方で、話が小さくまとまってる気もしたけれど、小道具、石文の使い方が上手く、見終わったら素直に感動していた。山崎努は、本当にまるで何年も納棺師の仕事をしてるような空気をまとっていて本当の役者。 この話の良いところは、若者が変…

 恐怖のメロディ/クリント・イーストウッド

イーストウッドの初監督作品。既にこの映画から、暗い闇の描写や、異常者を取り扱っているのに驚く。特典映像を見ると、イーストウッドが意見を出して変更した点が、ことごとく映画的に効いているのが分かる。 余談ですが、イーストウッド家の掃除婦役の、ク…

 マディソン郡の橋/クリント・イーストウッド

秀作。 この映画が流行った頃にみないで、今みれたのが良かった。 イーストウッドとメリル・ストリープの中年男女の不倫物。俗っぽいラブストーリーになりそうで、ギリギリ回避してるのは、閉鎖的な因習のある田舎に住んで結婚をし、平凡な人生を送っていた…

 オバマ・ショック/越智道雄・町山智浩

イーストウッドの映画からアメリカに興味が出てきたので、読んでみたのだけれど、オバマの事というよりは、アメリカの過去・未来みたいな話だったかな? またしても引用・抜粋で。 越智 “クレジット・クレージー”と言うんですね。九〇年代後半から、クレジッ…

 空気人形/是枝裕和

正直いって、寂しいので話としては、あんまり好きではなかったけれど撮影監督のリー・ピンビンが映す東京/TOKYOの実景が素晴らしくて、「まだまだ東京でも映画が撮れる」と僕らに教えてくれる。台湾人で外国人だから、という理由もあるかもしれないけど、浮…

 アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶

ドキュメンタリーフィルム。映画の助監督をしていた事も知りませんでした。モンローやカポーティ、バーンスタイン、ココ・シャネルなんて、撮影した人たちが有名すぎる。写真は短刀の一刺し、絵画は瞑想。

 逃走迷路/アルフレッド・ヒッチコック

サーカス団や、盲目の老人との触れ合いのシーンが何だか心にじんわりと残った。じらしは相変わらず巧い。

 ひとりでは生きられないのも芸のうち/内田樹

装丁とかすると、ちょっと女性向けなのかも? けど、やっぱり面白い。またもや抜粋。 最初の数年は「あの人よりは自分の方が高給だ」とか「自分の仕事のほうが高い評価を得ている」というような同族間の比較がモチベーションを維持するかもしれない。だが、…

あまり、ブログに時間を傾注できないので、自分用の覚書メモという感じで。大学生の論文みたい。

 イン・ハー・シューズ/カーティス・ハンソン

難読症のコンプレックスを抱えて、定職につかず酒を飲み、男とヤッテ毎日をやり過ごしてるキャメロンディアス演じるマギーが自立していくストーリー。介護の手伝いをして、元大学教授の老人にカミングスの詩を読むシーンはじんわりくるなあ。 ふと思いついた…

 ホリデイ/ナンシー・メイヤーズ

単純なラブストーリーなんだけど、アメリカに住んでるキャメロン・ディアスと、イギリスに住んでるケイト・ウィンスレットが家を交換してお互いの環境を変えるって設定が気がきいてる。終わり方はちょっとメルヘンかもしれない。

 疲れすぎて眠れぬ夜のために/内田樹

個人的に最近、気になっている内田先生の本です。気になった所を引用、抜粋。 ぼく自身はぜんぜん「我慢」というのものをしない人間です。ですから思春期になって、親子対立の徴候が出たところで、すぐに家出をしてしまいました。 家出というのは、一人暮ら…

 僕の彼女を紹介します/クァク・ジェヨン

話が、あっちにいったりこっちにいったりと収拾がつかず、「そんなにあの男が好きだったのか?」と後半思ってしまうのは、前半の書き込みが足りないから。 チョン・ジヒョンのコスプレを見る為の映画。

 デイジー/アンドリュー・ラウ

オランダロケまでして本気の割には、アクション映画なのか、恋愛映画なのか、いまひとつ判断がつきかねる。インファナル・アフェアの香りが一瞬するも、最後まで煮えきらず。丁寧に撮っているのは分かるけれど。 チョン・ジヒョンが後半、元気がなくなると、…

 イルマーレ/イ・ヒョンスン

恋人にふられたばかりのウンジュ(チョン・ジヒョン)は、前に住んでいた海辺の家“イルマーレ”の郵便受けに「新しい住所に転送してください」とメッセージを送った。メッセージの受取人ソンヒョン(イ・ジョンジェ)は、驚いた。なぜなら最初に自分が住み始…

 猟奇的な彼女/クァク・ジェヨン

前半がツン、後半がデレの物凄くわかりやすいツンデレ映画。これは男はグッと来るよなあ。泣きのドラマ的には、少しバタバタしてるけれどギリギリ成立。 韓国は男性上位、目上の人間に敬意を払う、みたいな儒教の伝統が強く残っている国だから、当時は、これ…

『猟奇的な彼女』が、とても可愛かったので、チョン・ジヒョン映画祭2010を勝手に開催する事にした。お勧め順。

 チェンジリング/クリント・イーストウッド

1928年のロサンゼルス。シングルマザーのクリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)の息子がある日、突然行方不明になった。数ヵ月後、イリノイ州で保護されて無事に戻ってきた息子は、まるで違う別人だった……。 傑作。 ひとつひとつのパートで2…

引き続き、映画の季節が来てるみたい。

 スラムドッグ$ミリオネア/ダニー・ボイル

人種・宗教・政治的な話を抜きにして、娯楽作品としてみるなら普通に面白い。 ダニー・ボイルは疾走を上手に撮る監督なのだけれど、経済成長めまぐるしいインドを選んだのが作品の雰囲気とフィットした気がする。恋愛パートは確かに弱くて、バランスを考える…

 山椒大夫/溝口健二

今更いうのもなんだけど、やっぱり傑作。 別に名作だからというわけではなくて、良い所の子息が奴隷へと身分が落ちる意外性、そしてまた這い上がるというカタルシス。話の構成が普通に面白い。これも原作とニュアンスが変更になっているわ。創作する人、話を…